いま、とっても欲しいカメラ ~撮影の頻度が確実に増すと思われるカメラたち~

 私は何年か前に、それまで所有していた35mm判のカメラやレンズのほとんどを処分して以来、カメラの台数はほとんど増えていません。正確に言うと、衝動買いしたフォクトレンダーのベッサマチックが1台加わりましたが、このカメラはすっかりディスプレイと化しています。
 ちなみに、レンズの方は今でも微増しております。

 新たにカメラが増えていないのは、私が使ってるようなフィルムカメラの場合は、カメラが変わっても写真に大きな違いはないということがいちばんの理由です。もちろん、多くの二眼レフカメラやレンジファインダーカメラなどのようにレンズが固定式の場合は、カメラが変わればレンズも変わるので写りにも影響しますが、私が主に使っている大判カメラや中判カメラはレンズが交換できるので、カメラ本体をたくさん持つ必要がありません。
 しかしながら、カメラに対する物欲がまったく失せてしまっているかというとそんなこともなく、もう長いこと欲しい欲しいと思いながらも、いまだに手にすることができていないカメラがあります。

 まず1台目は、富士フイルムの「GF670W Professional」という中判カメラです。

▲富士フイルム製 GF670W Professional (富士フイルム HPより転載)

 このカメラは2011年3月に発売された中判フィルムカメラで、その2年前(2009年)に発売された「GF670 Professional」というカメラの広角レンズタイプです。GF670は蛇腹を採用した折り畳み式でしたが、GF670Wはレンズ固定の一般的なレンジファインダーカメラの形態をとっていました。
 価格はオープンとなっていましたが、新宿の大手カメラ量販店では15万円ほどで販売されていたと記憶しています。

 装着されていたのは「EBC FUJINON 55mm 1:4.5」という8群10枚構成のレンズで、電子制御式のシャッターが内蔵されていました。FUJINONのレンズと言えばその写りの素晴らしさは誰しもが認めるところであり、私もFUJINONの大判レンズを何本か持っていたので、写りに関しては何の懸念もありませんでした。

 66判と67判を切り替えて使うことができたのも魅力の一つでしたが、私にとっては何と言っても洗練されたデザインが最大の魅力でした。
 フィルムの巻き上げもレバーではなくダイヤル式が採用されていたりして、半世紀も前のカメラを彷彿とさせるようなたたずまいですが、とても垢抜けしているように感じたのを憶えています。
 また、中判では主に67判を使っていた私にとって、レンジファインダーの67判というところにも心を揺さぶられました。

 このカメラが発売された2011年というのはフィルムにかなり翳りが出ていた頃で、同じ会社である富士フイルム製のフィルムも次々に販売終了になっており、そんなときによく新たなフィルムカメラを出したものだと驚きました。もしかしたら「フィルム復活!?」なんていう淡い期待を抱いたのも事実です。
 しかし、わずか4年後の2015年5月には出荷終了となってしまいました。なんと、先に販売が開始されたGF670よりも2年以上も早くに出荷終了になってしまいました(GF670は2017年12月で出荷終了)。初代のGF670の方が人気があったのかも知れません。

 生産された期間がわずか4年間で、しかも、このカメラを購入しようと思う人は決して多かったとは思えません。最終的な出荷台数がどれくらいになったのかはわかりませんが、市場に出回った台数はとても少ないのではないかと思います。
 それが証拠に、中古市場でもタマ数は少ないうえに異常とも思える高値がついています。30万円、40万円とかは当たり前で、中には50万円を超えるものもあり、ここまで価格が高騰してしまうととても手が出せません。15万円で新品が購入できたときに何故買っておかなかったのか、今更ながらの後悔です。15万円というのは安い金額ではないので踏ん切りがつかなかったのと、そんなに早くに出荷終了になるとは思いもしなかったというのが、当時購入しなかった理由だと思います。

 また、私はこのカメラで実際に撮影している人をこれまで一度も見たことがありません。中古市場に出回っているカメラも状態の良いものがほとんどで、あまり使われることもなく大事に保管されていたのではないかと思ってしまいます。出荷台数が少ないがゆえに、コレクターズアイテムのような存在になってしまっているとしたら、ちょっと寂しい気持ちになります。

 いくら欲しいとはいえ、今のような高額の状態で手を出すことはないと思いますが、もし、幸運にもこのカメラをゲットできたとしたら、スナップ感覚で風景を撮りに行く回数が確実に増えると思います。

 いま、とっても欲しいカメラの2台目は、「シャモニーChamonix 45 F-2」です。

▲Chamonix 45 F-2 (シャモニービューカメラ HPより転載)

 これは中国にあるシャモニービューカメラという会社で作られている大判(4×5判)カメラです。

 シャモニーのカメラについては以前、別のページでもちょっと触れましたが、会社のホームページを見ると、2003年に中国の写真家と登山家によって設立されたと書かれています。大判カメラを専門に作っているようですが、そのラインナップは素晴らしく、これまで聞いたことのないようなフォーマットのカメラがいくつもあります。

 私は今から10年ほど前にはじめてこの会社の存在を知り、そこで作られているカメラの美しさに目を奪われました。ウッド(木製)カメラに似ていますが、木材の他に金属や炭素繊維(カーボンファイバー)が豊富に使われており、それらがとてもよく調和したデザインになっています。
 また、とても丁寧に作られている感じがして、美しい仕上がりになっています。

 そして、最も私の気を引きつけたのがユニークなカメラムーブメントでした。
 これまでの大判カメラにはなかったと思われる独自の機構がいくつもあり、シンプルでありながら機能性に富んだカメラという印象です。カメラのベース部分は金属製ということもあり、見た目からも堅牢な感じがします。フィールドでも安心感をもって使用できるカメラだと思います。
 金属が多用されているので重量も増しているかと思いましたが、カタログ上では1,600gとなっていて、私が使っているタチハラフィルスタンドよりもほんの少し重いだけです。
 残念ながら、私は一度も触ったことはありませんが、たくさんの方が動画をアップされていて、それらを拝見することで美しさや機能性の良さをうかがい知ることができます。
 また、単にカメラを製造して販売するだけでなく、パーツ類の供給やサポート体制もしっかりとしているようで、企業体質にも誠実さが感じられます。

 国内の中古カメラ店にも時どき入荷することがあるようなのですが、人気のモデルはすぐに売れてしまうようです。4×5判であれば価格も20万円を下回っていて、べらぼうに高いという感じはしません。むしろ、リンホフやエボニーなどの中古品よりもずっとお手頃な価格です。
 ホームページに掲載されている新品価格が1,455ドルですから、円安の今でさえ、20万円ほどで手に入れることができるわけです。

 現在、私は4×5判のカメラを4台持っていて、これ以上、カメラが増えても持て余すだけになってしまいますし、特に大判カメラの場合、よほどひどい状態でない限り、どのカメラで撮っても写りに違いが出るわけではありません。ですから、今持っているカメラで何ら不都合はないのですが、魅力というのは不思議なもので、現実をはるかに超越してしまう力を持っています。
 今あるカメラを1~2台手放して、代わりにこのカメラをゲットしようかとも考えましたが、それはそれで後ろ髪を引かれる様なところがあり、思い切りよくやることができずにいます。

 それにしても、どれくらいの需要があるのかわかりませんが、これだけの品質のカメラを1,455ドルという価格で提供し続けることができるということに驚いてしまいます。事業として採算がとれるのだろうかと、つい余計な心配をしてしまいます。

 いま、とっても欲しいカメラの3台目は、「コニカ KONICA C35」、35mm判のコンパクトフィルムカメラです。

▲コニカ C35 Flash matic

 メーカーが提供している画像を見つけられなかったので、絵をかいてみました。へたくそですみません。
 
 製造発売元の小西六写真工業(のちのコニカ株式会社、現コニカミノルタ株式会社)は、富士フイルムと並ぶフィルムメーカーとしても有名でしたが、ミノルタと合併してコニカミノルタとなった後、カメラ事業や写真関連事業をあちこちに譲渡していき、現在のコニカミノルタからはカメラの臭いがなくなってしまいました。

 このC35というカメラはいくつかのモデルがあるのですが、初代は1968年に発売されたようです。今から50年以上も前で、アメリカのアポロ11号が月面に降りる前の年です。
 上の写真のカメラはC35 Flash matic というモデルで、発売年は初代機の3年後の1971年とのことですので、やはり50年以上は経過しています。

 35mm判カメラのほとんどを処分してしまったにもかかわらず、何故、今になって35mm判のコンパクトカメラが欲しいのかというと、理由はただ一つ、その見てくれの可愛らしさです。
 コンパクトフィルムカメラは、これまで各メーカーからそれこそ数えきれないくらいのモデルが発売されてきましたが、私にとってはそのデザイン性という点において、このカメラの右に出るものはないと思っています。デザインというのは好き嫌いがありますから、誰もがこのデザインを好むとは思っていませんが、私からすると、愛嬌もあり野暮ったくもない、50年経っても古臭さを感じないデザインは他にないと思っています。
 私が愛用しているCONTAX T2も優れたデザインだと思っていますが、T2のように優等生ぶっていない親しみのある風貌が何とも言えません。いわば、T2の対極にあるようなデザインといった感じです。
 以前から可愛らしいカメラだとは思っていたのですが、最近になってとても気になる存在になってきました。現役で使っている35mm判カメラがT2だけになってしまったからかも知れません。

 カタログデータを調べてみたところ、大きさはT2よりも少しばかり大きく、重量もT2より少し重いようですが、それでも非常にコンパクトであることには変わりありません。レンズは写りに定評のあるHEXANON 38mmがついているので、その描写能力に関しても問題はないと思われます。
 このカメラ、中古市場では結構たくさん出回っているようで、大手ネットオークションサイトを少し調べてみましたが、安いものであれば数千円、程度の良いものでも一万円前後で出品されています。手に入れたいと思えば比較的容易に購入できる状況のようです。

 CONTAX T2はお散歩カメラとして今も活躍してくれていますが、もし、コニカ C35を手に入れた時のことを想像すると、お散歩カメラとして持ち歩きたくなるのは間違いなくC35だと思います。なんだかT2には申し訳ないようですが、こればかりは仕方ありません。
 富士フイルムのGF670WやシャモニーのChamonix 45 F-2のように何十万円もするわけではなし、今夜にでもポチッとすれば2~3日後には手に入るカメラです。GF670WやF-2に対する物欲とは次元の違う物欲を感じるカメラです。

 こうしてあらためて振り返ってみると、いま欲しいと思っているカメラは機能や性能に優れているというだけでなく、琴線に触れるようなフォルムとかデザインを持ったカメラというような気がします。もちろん、機能や性能は重要な要素ですが、私の気持ちはどちらかというとデザインに重きが置かれているといった感じです。
 デザインの好き嫌いは個人の好みの問題ですが、どんなに機能や性能が優れていても、デザインが気に入らなければ全く興味が湧きません。これら3つのカメラは機能や性能も十分に備えながら、デザイン的にも優れているカメラだと感じています。あくまでも個人的にですが。

 この他にも気になっているカメラはいくつかあります。しかし今のところ、手に入れたいと思うようなカメラはこの3つ以外には存在しません。世の中には私がまだ知らずにいるカメラもたくさんあるわけで、そういった中には琴線に触れるものもきっとあると思います。いつか、そんなカメラと出逢う日もあるだろうという期待を持ちつつ、この3つのカメラをゲットすべきかどうか悩む日は続きそうです。

(2023.4.28)

#GF670W #Chamonix #シャモニー #コニカ #KONICA_C35

フィルム写真やフィルムカメラの将来は悲観することばかりではない...のかも知れない

 フィルムや現像薬品の製造販売終了や値上げをはじめ、現像料金の値上げなど、フィルム写真に関する暗いニュースが後を絶ちません。その類いのニュースを見たり聞いたりするたびに暗い気持ちになり、いったい、フィルム写真はいつまで続けることができるのだろうか、もしかしたら数年後にはフィルムで写真を撮ることができなくなってしまうのではないか、といった不安がよぎります。
 私のような一消費者がどんなに心配しようがあがこうが大勢には全く影響がありませんが、じわじわと真綿で首を絞められるような感じを禁じえません。

 しかし、そんな気の重くなるようなニュースの陰にも、気持ちが明るくなるような話題が時々飛び込んでくることがあり、もしかしたらフィルムの将来にも希望が持てるのかも、と思わせてくれます。

 昨年(2022年)の暮れ、リコーイメージングが新たにPENTAXブランドのフィルムカメラを開発するプロジェクトをスタートさせたというニュースがありました。若い人たちの間でフィルムの人気が高まってきており、フィルムカメラの市場性はなくなっているわけではないという判断をされたのかも知れません。
 まだ正式に新製品の発売を約束するものではないとしながらも、一度終了したフィルムカメラを再度、しかも新規に開発するという取り組みに意表を突かれるとともに、胸がときめくような感じを受けました。「えっ!今のこの時代に本当にやるの?」という釈然としない気持ちと、「あっぱれ!ぜひとも実現してほしい」という期待が混ぜこぜになったような、何とも不思議な感覚でした。

 いくら若い年代に人気が高まったところで、デジタルカメラをひっくり返すほどのシェアになるとは思えず、そんな分野に本気で企業が投資をするのだろうかと考えてしまうのは私だけではないと思います。この新規事業に利益が見込めるのかどうか私にはわかりませんし、また、利益追求だけが企業の本分ではないとは思いますが、とはいえ、仮に利益の出ない事業だとしたら、それを継続することが大変なのは素人から見ても理解できます。
 一方で、フィルムカメラという素晴らしい文化や技術を後世に伝えていくという、カメラメーカーとしての使命を全うしようとしているのではないかと思ったりもします。

 いずれにしても、リコーイメージングという大きな企業が判断したことであり、外野がとやかく言うことではありませんが、個人的にはぜひ実現してほしいという願いがあります。いつ頃、どんなカメラが出てくるのかわかりませんが、しばらくはワクワクした気持ちを持つことができそうです。

 PENTAXと言えば、新宿にあったリコーイメージングスクエア東京(旧ペンタックスフォーラム)が昨年3月に閉じて、新たに7月から四谷に「PENTAXクラブハウス」という名前でオープンしました。ショールームやギャラリーだけでなく、交流の場のようなものをコンセプトにしているようです。
 私は昨年の秋に一度訪れただけですが、その時に印象に残っていたのが「フィルムカメラ体験会」というものでした。PENTAXのフィルムカメラを有償で貸し出して、フィルムカメラを実際に使ってもらおうという試みです。実際にどれくらいの申し込みがあったのかはわかりませんが、先月(2023年1月)から第2回目が開催されているようなので、好評だったのかもしれません。PENTAX 67Ⅱや645NⅡなど、なかなか手にする機会がないカメラも実際に使えるとあって、たとえ少しずつでもフィルムカメラの魅力が伝わっていくのであれば嬉しいことです。
 67Ⅱが5時間半で6,600円、これを高いと感じるか、安いと感じるかは微妙なところですが、四谷界隈でPENTAX 67Ⅱを持って撮り歩いている人の姿を見かけたら、ちょっと微笑ましくなりそうです。

 PENTAXが新たなフィルムカメラの開発プロジェクトをスタートさせたのは喜ばしいことですが、フィルムの供給は大丈夫なのかという心配は当然あります。リバーサルフィルムはまさに風前の灯といった状態ですが、モノクロフィルムはその種類が増えているようです。現在、手に入れることができるモノクロフィルムは国内、海外ブランドを含めて約120種類あるそうで、3年前よりも若干増えているとのこと。
 もちろん、120種類すべてがオリジナルというわけではなく、OEMのような形で供給されているものもたくさんあると思いますが、それでも種類が増えているというのは喜ばしいことです。

 比較的記憶に新しいところでは、日本の企業からMARIX(マリックス)というブランドで新たなフィルムが発売されたことです。中身はフォマのようですが、にしてもジャパンブランドのフィルムが増えたということは明るい話題です。
 また、2018年3月で出荷が終了していた富士フイルムのフジカラーSUPERIA X-TRA 400 の再販が開始されたのも最近のことです。海外製品を国内向けにしているようですが、ISO-400のカラーフィルムの選択肢が増え、PREMIUM 400よりも若干安く設定されており、フィルムの裾野が広がると良いと思います。

 富士フイルムの写ルンですやコダックのM35、i60など、お手軽にフィルム写真を楽しめるカメラの売れ行きも好調に推移しているようで、これらのおかげでカラーフィルムの出荷数が下げ止まっているという話しも聞きます。
 スナップ写真や旅行の写真など、大仰な一眼レフカメラを持ち歩くよりはスマートでおしゃれな感じがするのも確かです。デザインやカラーバリエーションも豊富で、つい買ってしまいたくなる、そんな魅力も感じます。
 スマホなどの綺麗なデジタル写真を見慣れた若い世代の人たちからすると、フィルム独特の柔らかさとか温もりのある写りが新鮮に感じられるのかもしれません。
 
 リバーサルフィルムにも明るい話題があると良いのですが、残念ながらこれといった喜ばしい話は聞こえてきません。原材料の調達が思うようにいかず安定供給ができていないようですが、一時的なものであってほしいと思います。

 昨年(2022年)、日本で唯一と言われている完全アナログな銀塩プリントをしてくれる会社、アクティブスタジオさんがクラウドファンディングを実施していました。内容は、ここにしかないミニラボ機QSS-23という機械の修理や、アナログプリントを続けていくための維持費などに充てるというものでした。
 当初の目標の1.5倍ほどの支援が集まったようで現在は終了していますが、これによってアナログプリント継続の危機を脱することができたようです。とはいえ 、またいつ故障するかもわからないし、代替部品の入手も困難になる一方のようで、気が抜けない状態は続くとのことです。

 アナログプリントに拘って継続されていらっしゃることにも頭が下がりますが、クラウドファンディングで支援してくれる人もいるということに明るい気持ちになりました。
 私は6~7年前に数回、プリントをお願いしたことがありますが、フィルムをスキャンしてデジタル化した後にプリントするという、現在は当たり前になっている写真と比べると、とても自然な発色をしていると感じました。昔のプリントはこんな感じだったのにと、ちょっとノスタルジックな気持ちになったのを憶えています。
 機械の修理がきかなくなったり、使用しているアナログ印画紙(富士フイルム製だそうです)がなくなっってしまえば同様のプリントは継続できなくなってしまいますが、一日でも長く継続できることを願っています。

 少し話しがそれますが、中国にChamonix(シャモニー)というブランドで大判カメラを作っているシャモニービューカメラという会社があります。
 20年ほど前に設立した会社らしいですが、実はずっと以前からここの大判カメラが気になっていました。木製カメラのようでありながらベースには金属が多用されていたり、何と言ってもカメラムーブメントがこれまでのカメラにはなかった発想で作られています。職人が一台々々丁寧に作っているという感じで、とても綺麗な仕上がりのカメラです。いつかは使ってみたいという思いがずっと続いています。
 生産台数がどれくらいあるのかわからないのですが、特に海外では人気があるようで常に売り切れ状態です。注文をしても順番の待ち行列の最後尾に置かれてしまい、いつ手に入るのかわからないといった状況のようです。
 また、4×5判だけでなく5×7判や8×10判、さらに大きな10×12判や11×14判、そしてとても珍しい14×17判などというカメラも作っているようです。
 大判カメラというニッチな市場ではありますが、現行品として製造販売が続いており、しかも順番待ちになるほど人気のある状況をみると、フィルムカメラもまだまだ捨てたものではないという気持ちになります。

 国内でもフィルム写真やフィルムカメラ、フィルム現像などのセミナーやワークショップ、撮影会やフィルムで撮影した写真展なども増えてきているように感じており、それぞれの活動は小さいかも知れませんが、フィルム写真やフィルムカメラに対する潜在的な市場は衰退の一途をたどっているわけでもなさそうです。
 フィルムの出荷がピークと言われた2000年頃の状態に戻るとはさすがに思いませんが、フィルム写真というものが残っていってほしいと切に願います。

(2023.2.3)

#PENTAX #ペンタックス #モノクロフィルム #Chamonix