私が使っているカメラやレンズはすでに生産終了品であるばかりかメーカーサポートも終了しており、壊れた場合は自分で修理するか、手に負えない場合はカメラ修理専門店にお願いすることになります。しかし、修理不可能な場合はもう使うことができなくなってしまいます。そんな最悪の事態にならないよう、修理が難しそうな機材については予備を用意しています(丸ごと使うというよりはパーツをとるため)。当然新品が手に入るわけではないので、中古カメラ店に行ったりネットオークションなどを使ってお目当ての品を探すことになります。
そんな中で最近気がついたことがあります。それは、中古のフィルムカメラやレンズの価格が高くなっているということです。数年前は程度の良いレンズなどでも市場に出回っている数の多いものは捨て値同然で売られていたものですが、ここ最近は価格が高騰している感じがします。ネットオークションなどでも結構高い値がつけられており、時たま安い値で出品されていても、あっという間に値が吊り上がっていってしまいます。特に大判カメラや大判レンズにその傾向が強いように思います。
大判カメラや中判カメラを使う人がそんなに多いとは思えないのですが、ここ数年は中判や大判の売れる台数が伸びているという話を中古カメラ店の方から伺ったことがあります。しかし、私もあちこち撮影に出かけますが、中判や大判のカメラで撮影している人に出会うことは一年に一回あるかどうかといった感じで、ほとんど出会うことはありません。いったいどこで何を撮影しているのだろうと不思議にさえ思います。
そういえば、私は新宿の大手カメラ店でフィルムを購入することが多いのですが、ここ数年、大判フィルムが売り切れという状況に遭遇したことが数回あります。フィルムを使う人が減る一方なので、お店も仕入れる数量を減らしているのだろうと思っていたのですが、どうやらそれだけの理由ではないかもしれません。昔は大判フィルムを購入するのはほとんどがプロでしたが、最近はプロではなくアマチュアの購入が圧倒的に多いという話を聞いたことがあります。
そんな状況を鑑みると、中古市場でフィルムカメラやレンズの価格が上昇しているのもうなずける気がします。フィルムを使う人がどんどん減り、フィルムの種類も減り、価格がどんどん上がっていく中で、フィルムカメラを使う人が増えているとしたら、それはとても喜ばしいことです。私の愛機でもあるPENTAX67が若いカメラ女子にとても人気があるらしく、あの重いカメラを女性が使っている姿を妙にカッコ良く思えるのは私だけではないと思います。
私がカメラやレンズを購入するのは予備機やパーツ取りが主な目的だというのは前にも書いた通りですが、価格は安いに越したことはありません。かつて、大判カメラや大判レンズは高価で簡単に購入できるものではありませんでした。中古の価格が上がったとはいえ、新品の価格の何分の一という金額で購入できるので、機材の面で今はとても恵まれているのかもしれません。これでフィルムの価格がもう少し下がってくれれば言うことはないのですが。
(2020.7.24)