毎年この時期になると、年賀状とともに来年のカレンダーのことが気になり始めます。というのも、20年ほど前からオリジナルカレンダーを毎年作っており、仕事関係の方や個人的なお付き合いの方にお渡ししているからです。来年のテーマは何にしようかと一年も前から気にはなっているのですが、具体的に行動に出るのはいつもこの時期になってしまいます。たぶん、こういう性分は一生治らないと思います。
来年こそはカレンダーのテーマを事前に決めて、一年かけて季節ごとの撮影をしようと思うのですが、表紙用の写真も含めて13枚を撮るというのは困難を極め、結局、何枚かはこれまでに撮りためた写真の中から選ぶということになってしまいます。
そんな状況は今年も相変わらずですが、何とか出来上がりました。今回は滝のシリーズです。
滝には不思議な魅力があります。水が落ちることでつくられる美しい景観に惹かれるのももちろんですが、同じ水であっても単なる川の流れとは全く別物として感じられます。古来から日本人は滝に神が宿るとして、滝をご神体として崇めているところもたくさんありますが、そういったことも滝に引き付けられる理由かもしれません。
滝に限らず、撮影に行くのは関東、中部、東北が圧倒的に多く、今回の滝の写真も長野県、群馬県、栃木県、山形県に偏っています。
カレンダーなので出来るだけその季節に合った写真にしたいのと、似たような雰囲気の写真ばかりにならないようにしたいのとで、写真選びは結構苦労します。どんなに美しい写真であっても、1月とか2月に燃えるような紅葉と滝の写真をもってくると、やはり違和感があります。
昔はオリジナルカレンダーを作ろうとすると、専門の業者さんにお願いしてオフセット印刷で作ってもらうしかなく、手間も時間もかかり、かつ、少ない部数では極めて割高になってしまいましたが、いまはデジタル印刷が進化したおかげで部数の自由度も高く、しかも短期間で作ってもらえるようになりました。もちろん、品質はオフセット印刷にかないませんが、カレンダーは一過性のものなので、デジタル印刷でも十分にきれいで全く支障がないと思います。
ちなみにフィルムのスキャンは自分で行ないます。
カレンダーは写真なり絵画なりの部分に重きを置いたものと、写真や絵画は控えめにしてカレンダーとしての機能を追求したものとがあると思っています。前者は装飾的な意味合いが強く、カレンダーの部分は下の方に申し訳程度にあるといった感じです。一方、後者は離れたところからでも見えるように文字が大きかったり、いろいろ書き込めるように日付の周囲に余白があったりと、まさに機能重点主義のカレンダーです。
これら装飾性と機能性の両方を程よく取り込もうとすると中途半端な感じになってしまうようにも思いますが、いちばんカレンダーらしいカレンダーかも知れません。
来年のカレンダーが出来上がると、年末の仕事の一つが終わったという感じで、肩の荷が少し軽くなります。
余談ですが、来年のカレンダーを見ていて、来年は連休が少ないなと感じました。
(2020.12.13)