ヴィンテージカメラの魅力

 例年になく長い梅雨がやっと明けたと思ったら耐え難いくらいの猛暑が押し寄せ、しかも今年は新型コロナの影響で遠出もままならない状態です。撮影も思うようにできず、悶々とした日を過ごしています。
 そんなわけで、たまには中古カメラ店にでも行ってみようかと思い、新宿と中野にある中古カメラ店を何件かはしごしてきました。

 近年、中古カメラ店に行って感じるのは、若い女性客が多いということです。しかも、デジカメではなくフィルムカメラを探している女性を多く見かけます。聞くともなく、店員さんとの会話が耳に入ってくるのですが、これからフィルムカメラを始めようと思っている女性が多いことに驚きです。
 食べ物にしてもいろいろなお店にしても、若い女性から支持されることが売上の伸びる大きな要因らしいです。フィルムカメラも若い女性に支持されて、市場が大きくなってほしいものです。

 さて、私はカメラのコレクターではありませんので、実際に使いもしないカメラやレンズを買うことはほとんどありません。ですが、中古カメラ店に並んでいる年代物のカメラを見ると、「いいなぁ」「ほしいなぁ」という気持ちが湧いてくるのも事実です。買っても実際に撮影に使うことはほとんどないだろうということがわかっていながらも、欲しいと思うのは何故なんでしょう?月並みな言い方をすると、カメラの持つオーラのようなものに引き付けられるのだということになると思うのですが、本当の心理状態はちょっと違う気もします。

 そんな葛藤をしながら何のことはない、カメラの放つオーラに負けてしまい、買ってしまいました。それが下の写真のドイツ製カメラ、Voigtlander BESSAMATICです。調べたところ、発売は1959年とのことですので60年以上前のカメラですが、傷や汚れは全くと言ってよいほどなく、とてもきれいな状態を保っています。しかも、昔懐かしい茶色の革製のケースまでついています。
 これでお値段9,000円。どこか壊れているんじゃないかと思いましたが、全く問題なく動作している感じです。

Voigtlander BESSAMATIC + COLOR-SKOPAR X 1:2.8/50

 このカメラについてはたくさんの方が記事を書いていらっしゃいますので詳細はそちらをご覧いただくとして、私の心を動かしたのは何といってもそのフォルムです。昔のカメラはどれもそうですが、金属製のボディは重厚感がありますし、デザインも機能美に満ちていると思います。60年を経ても全く古臭さを感じさせません。それどころか、個人的には最近のカメラのデザインよりもはるかにセンスがあると思います。

 しかし、金属製であれば何でも良いというわけではなく、やはりデザインはとても重要な要素です。金属製であっても心動かされないデザインのカメラもあります。もちろん個人の好みですから人それぞれですが、うっとりと眺めていられる美しさを持ったカメラというのは、中古カメラ店の棚の中でも輝いていると感じるのは贔屓目でしょうか?

 職人のこだわりが随所に感じられるこのカメラ、60年前にどういう人が手にして、どういう経路をたどって今、私の手元にあるのか、そんなことを想像させるのもこういったカメラの魅力かもしれません。
 このカメラがヴィンテージカメラに属するのかどうかよくわかりませんが(なにしろ9,000円ですから)、撮影に行く回数が激減している昨今、こんなヴィンテージカメラを探してみるのも悪くないなと思っています。

 このカメラでバシバシ撮影することはないと思われますが、一度は撮影をしてみたいと思います。どんな写りをするのか、楽しみです。

(2020.8.16)

#ベッサマチック #BESSAMATIC #中古カメラ

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