ニコン Nikonの大判レンズ ニッコール NIKKOR-M 300mm 1:9

 日頃、私が使っている大判レンズはシュナイダー Schneider とフジノン FUJINON がほとんどで、現在、私の手元にあるニコン Nikon のレンズはNIKKOR-M 300mm だけです。かつてはもう1本持っていたのですが手放してしまい、いまは1本だけになってしまいました。
 少し調べてみたところ、初代の300mm F9 レンズは1965年ごろに発売されたようですが、レンズ名の後に「M」がついたNIKKOR-M 300mm の発売は1977年とのことです。私の持っているレンズがいつ頃製造されたものか詳しくわかりませんが、ニコンの製品カタログなどを見てみると1980年代半ばごろではないかと思われます。

 このレンズ、ずいぶんと人気があるようで、中古市場や大手ネットオークションサイトでは安くても9万円ほど、高いものだと16万円とか18万円というものもあり、かなりの高額が設定されているようですが、実際にこのような金額で取引されているのかどうかは不明です。メーカーの希望小売価格が74,000円(税別)ですから、プレミアがついているという状態かも知れません。

ニッコール NIKKOR-M 300mm 1:9 の主な仕様

 いわゆるテッサータイプのレンズです。焦点距離300mmとは思えない小ぶりなレンズです。
 オルソメター型のNIKKOR-W シリーズにも焦点距離300mmのレンズがありますが、こちらは全長が94.5mm、重さが1,250gもあるヘビー級のレンズです。それに比べるとM300mmがいかに小さいかがわかります。
 また、当時のカタログには、「色収差は高度に補正されており、優れたパフォーマンスを発揮する」と書かれています。
 前玉をのぞき込むとマルチコーティングらしい色をしていますが、フジノンのレンズと比べるとわずかにあっさりした色合いのようにも思えます。

 このレンズの主な仕様を記載しておきます。ニコンのサイトに掲載されてる情報から抜粋したものです。

   イメージサークル : Φ325mm(f22)
   レンズ構成枚数 : 3群4枚
   最小絞り : 128
   包括角度 : 55度(f9) 57度(f22)
   シャッター  : COPAL No.1
   シャッター速度 : T.B.1~1/400秒
   フランジバック : 約290mm
   フィルター取付ネジ : 52mm
   前枠外径寸法 : Φ54mm
   後枠外径寸法 : Φ42mm
   全長  : 43mm
   重量  : 290g

 このレンズを4×5判で使ったときの画角は、35mm判カメラに換算すると焦点距離がおよそ85mm前後のレンズに相当します。画角としては35㎜判の中望遠にあたる焦点距離です。
 4×5判の対角画角が約30度、横位置に構えたときの水平画角が約24度ですから、風景撮影などでは広く取り込むというよりは比較的狭い範囲を切り取るといった撮り方に向いています。ディスタンスを大きくとればそれなりに広い範囲を写し込むことができますが、とはいえ、やはり強調したい部分を切り取るという使い方の方がしっくりきます。

 絞りは128までありますが、そんなに絞って使ったことはありませんし、そこまで絞り込むと回折現象の影響が出過ぎてしまうのではないかと思います。絞り羽根は7枚で、最小絞りまで絞り込んでも綺麗な7角形を保っています。
 シャッターはコパルの1番で、後期モデルの黒いタイプのものが採用されています。
 同じコパルのシャッターでも、私が主に使っているシュナイダーやフジノンに採用されているものはシャッター速度指標が固定されていて、そこを差す矢印が回転するのですが、ニコンに採用されているものは矢印が固定されていて、シャッター速度指標が回転するようになっています。どちらもレンズを正面から見たときに、リングを反時計回りに回転させるとシャッター速度が速くなるのは同じなのですが、シュナイダーやフジノンに慣れているので、ニコンのレンズを使うときは戸惑ってしまいます。

 イメージサークルは325mm(F22)もあり、8×10をカバーする大きさですので、4×5判で使う分にはどんなにあおってもケラレることはありません。
 フランジバックは約300mmなので、私が使ってるリンホフマスターテヒニカ45や2000では問題ありませんが、ウイスタ45SPだと無限遠の撮影はギリギリできますが、少し近いところの撮影ではレンズの繰り出しが限界でピントを合わせることができません。ウイスタで使う場合は延長レールや延長蛇腹が必要になります。
 しかし、何といってもレンズがコンパクトなのが最大のメリットで、ワイドタイプやテレタイプのレンズを持っていくと思えば、小ぶりなレンズであればもう1~2本持てるわけですから、フィールドに出るときにはとてもありがたい存在です。しかもレンズが軽いので、蛇腹を伸ばしても風などの影響を受けにくく、ブレの心配も軽減されます。

ニッコール NIKKOR-M 300mm のボケ具合

 このレンズのボケ具合を、以前に作成したテストチャートを用いて確認してみました。レンズの光軸に対してテストチャートを45度の角度に設置し、レンズの焦点距離の約10倍、約3m離れた位置からの撮影です。
 まずは絞りはF9(開放)で撮影したものです。1枚目がピントを合わせた位置、2枚目が後方30cmの位置にあるテストチャート、そして3枚目が前方30cmの位置にあるテストチャートを切り出したのが下の3枚の写真です。

 2枚目写真、後方30cmの位置にあるテストチャートを撮影したもの、つまり、後ボケ状態のものですが、全体的に癖のない素直なボケ方ではないかと思います。ボケの中にわずかに芯が残っているようなボケ方をしています。ボケの周辺に行くにしたがってなだらかなグラデーションになっているので、後ボケが騒がしくなることはなく、柔らかな背景を作ってくれる感じのボケ方です。
 一方、テストチャートの3枚目の写真は前ボケの状態です。全体的に素直なボケ方は同じですが、後ボケに比べて芯の残り方が薄い感じがします。そのせいかどうかわかりませんが、後ボケよりも厚みがないというか、平面的な感じを受けます。
 また、後ボケも前ボケも二線ボケや年輪ボケのようなものは感じられません。

 参考までに、F22まで絞り込んで撮影したテストチャートの写真も掲載しておきます。
 1枚目が後方30cmの位置にあるテストチャート(後ボケ)、2枚目が前方30cmの位置にあるテストチャート(前ボケ)を写したものです。

 F22というと、絞り開放(F9)から約2・2/3段絞り込んだ状態ですが、焦点距離が300mmなのでボケ量は結構大きく残っています。
 ちなみに、焦点距離300mmのレンズで3m先の被写体を撮る際、このテストチャートの前後30cmの範囲を被写界深度内におさめるためには、およそF120まで絞る必要があります。
 参考までに被写界深度の計算式は以下の通りです。

  前側被写界深度 = a²・ε・F /( f² + a・ε・F)
  後側被写界深度 = a²・ε・F /( f² - a・ε・F)

 ここで、
  a : 被写体までの距離
  f : レンズの焦点距離
  F : 絞り値
  ε : 許容錯乱円

 を表します。

 許容錯乱円を0.025mmとしてF値を逆算すると、およそ120となります。
 アオリを使わずに前後合わせて約60cmの範囲にピントを合わせようとすると、このレンズの最小絞りまで絞り込む必要があることになります。
 画角としては35㎜判の焦点距離85㎜のレンズ相当ですが、やはり焦点距離は長いので被写界深度はずいぶんと浅くなります。その分、ボケを生かした写真にすることができると言えます。
 ただし、この値は被写体まで3mというかなり近い距離での撮影の場合ですので、実際にこのレンズを使うようなシチュエーションではここまで絞り込まなければならないということは多くないと思います。

 蛇足ですが、テッサータイプのレンズは絞り込むと焦点の位置が移動するという話しを耳にすることがあります。このような現象はテッサーに限らず起こりうる可能性はあるのかもしれませんが、私はこのレンズを長年使っていても、そのようなことが気になったことは一度もありません。
 焦点の移動がどのような原因によるものか詳しくはわかりませんが、例えば、レンズの周辺部で発生する球面収差が絞ることにより補正がかかって、焦点が移動したように見えるのかも知れません。だとすると、このレンズのように大きなイメージサークルを持っている場合、ほとんど影響がないのでは、と思われます。

ニッコール NIKKOR-M 300mm の作例

 私は4×5判でいうところの広角系から標準系のレンズ、焦点距離でいうと75mm~210mmあたりのレンズを使うことが多く、300mmという焦点距離のレンズを使う頻度は高くありません。ですので、このレンズの特徴がわかりやすいような写真がなかなか見当たらないのですが、とりあえず3枚を選んでみました。

 まず1枚目は、今年5月に青森県の奥入瀬で撮影したものです。

▲Linhof MasterTechnika 45 NIKKOR-M 300mm 1:9 F22 4s Velvia50

 ここは、石ヶ戸休憩所から上流に30分ほど歩いたところにある「馬門岩」のすぐ近くです。
 道路のすぐ脇に垂直に切り立った岩があり、そこにたくさんの植物が根を下ろしていて、幽玄さを感じる景色がつくり出されています。曇り空のため一帯は薄暗いのですが、そのしっとりとした感じがこの景色にはぴったりです。時折、木漏れ日が差し込んだりすると岩肌が白く輝き、違った表情を見せてくれます。この写真も、中央右寄りあたりに日が差し込んだところを写しました。
 露光時間は4秒なので風で揺れてしまっている葉っぱも多くありますが、解像度としては申し分のない写りをしていると思います。掲載している写真は解像度を落としてあるのでわかり難いと思いますが、被写体ブレを起こしていない岩に張りついた小さな葉っぱなどはとてもシャープに写っていて、たった4枚のレンズでここまで写るのは本当にすごいと、あらためて思います。

 100メートル以上にわたってこのような岩壁が続いており、もう少し焦点距離の短いレンズを使うと広範囲を取り込めるのですが、そうすると周囲の木々などが入りすぎてしまい、岩の迫力が薄れてしまいます。いろいろな撮り方ができますが、ある程度離れた位置から歪みのない作画をしようとすると、画角が30度前後のレンズは向いていると思います。

 2枚目も同じく奥入瀬で撮影しました。

▲Linhof MasterTechnika 45 NIKKOR-M 300mm 1:9 F9 1s Velvia50

 川中の石の上に根を下ろした植物をアップで写しました。
 もっと広い範囲を景色として写す時は露光時間も長めにすることが多いのですが、ここでは背後の流れを雲のようにしたくなかったので、絞り開放(F9)で露光時間は1秒です。露光時間を4秒くらいにすると流れが白くなり、全体に柔らかな感じに仕上がりますが、流れている様子を表現するにはこれくらいが良い感じです。
 また、フロントティルトのアオリをかけるとパンフォーカスにすることもできるのですが、前後をある程度ぼかしたかったのでアオリは使っていません。そのため、右端の草にはピントが合っていません。大きくボケているわけではありませんが、とても素直なボケ方をしていると思います。

 被写体までの距離は10数メートルだったと思うのですが、できるだけ余計なものは入れたくなかったのでこのレンズを使いました。左右と下側をもう一回りくらい切り詰めた方が植物の力強さが表現できたかも知れません。当日持って行ったレンズの中で、焦点距離がいちばん長いのがこのレンズだったのですが、360mmくらいのレンズで撮りたかったという気持ちがちょっとありました。

 もっと近接撮影をしたサンプルをということで探したのですが見つからなかったので、3枚目は家の中でテーブルフォト的に撮影したものを掲載します。

▲Linhof MasterTechnika 45 NIKKOR-M 300mm 1:9 F9 2s PROVIA100F

 モデルは私が愛用している二眼レフカメラの PRIMOFLEX と minolta AUTOCORD です。
 向かって右側のミノルタAUTOCORDの「A」のところにピントを合わせ、ボケ具合を見たかったので絞りは開放にしています。黒いバックシートの上にカメラを置き、向かって左側からスポットライトを当てて撮影しました。
 被写界深度はとても浅く、ピントが合っているのは銘板の「AU」のあたりと、ビューレンズ左側の張り革のごく一部だけです。あとはすべてボケていますが、ボケ方は結構きれいだと思います。
 この写真では前ボケがほとんどなく、何とか前ボケの様子がわかるのがレンズに取り付けてあるフィルターの辺りですが、癖のないボケ方だと思います。
 後ボケは、PRIMOFLEX の側面にあるノブやストラップがわかりやすいと思うのですが、厚みが感じられるフワッとした感じのボケになっています。

 使用したスポットライトは何年か前に自作したものですが、少々、光が強すぎたようです。もう少し光量を落として露出をかけた方が良かったと思うのですが、とりあえず、ボケ具合はある程度写せたのではないかと思います。
 テーブルフォトを撮ることはほとんどありませんが、ボケ具合を見るためには効果的かも知れません。

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 冒頭でも書いたように、私はニコンのレンズを使った経験が非常に少ないので、ニコンのレンズの特性などについてはほとんど知りません。ですので、ニコン云々とかテッサーだからということではなく、純粋にニッコールM 300mm というレンズが気に入っているということでこのレンズを手放さずにいます。シャープな写り、素直なボケ、小さいながらもいい仕事をしてくれるレンズだと思います。
 ニッコールMシリーズには200mmというレンズもあり、私は使ったことはありませんがちょっとそそられるレンズです。

 テッサータイプのレンズは世の中にたくさんあって、どちらかというと廉価版というイメージもあるのですが、シンプルな構成であるがゆえにほかのレンズとはちょっと違う魅力を感じます。といっても、私はテッサータイプのレンズを何本も持っているわけではありませんが、あらためて手元にあるテッサータイプのレンズを使ってみると、世の中にテッサー好きの人が多いのも頷ける気がします。

(2024.7.14)

#ニコン #ニッコール #NIKON #NIKKOR #奥入瀬渓流 #テストチャート #レンズ描写

奥入瀬渓流の初夏 色めく新緑と千変万化の流れ

 5月の中旬から末にかけて青森・岩手方面に撮影に行ってきました。今年は全国的に桜の開花が早かったですが、やはり、季節の進み方も例年に比べて早い感じがします。それでも八甲田山の上の方にはまだ雪が残っていて、十和田湖の周囲など標高の少し高いところに行くと木々の葉っぱはまだ淡い黄緑色をしていました。
 奥入瀬渓流一帯の標高は300~400mほどらしいので芽吹きの時期はとうに過ぎていますが、鮮やかな新緑が見ごろを迎えていて、清々しいという表現がピッタリの季節感です。6月に入ると緑は日増しに濃くなっていくので、5月の下旬ごろがいちばん鮮やかな緑を見ることができる時期かも知れません。

 今回は、子ノ口から焼山までおよそ14kmに渡って続いている奥入瀬渓流のうち、主に中流域と上流域で撮影をしてきました。

自然の造形美が連なる瀬

 奥入瀬渓流は上流域、中流域、下流域とでずいぶんと景観が異なっていますが、最も流れに変化が見られるのは中流域だと思います。概ね、奥入瀬バイパスとの分岐あたりから、雲井の流れあたりまでの6kmほどの範囲を中流域と呼んでいるようです。
 奥入瀬渓流に流れる水は十和田湖から流れ出ていますが、子ノ口にある水門で流れ出る水量を調節しています。朝7時ごろに水門が開かれるらしく、それよりも早い時間帯に行くと水量が少ししかありません。そして、7時を過ぎると渓流に流れる水量が急激に増えていきます。それまで川底が出ていたようなところもたちまち水底になり、奥入瀬らしい景色に変わります。

 奥入瀬渓流のほぼ中間に石ヶ戸と呼ばれる場所があります。駐車場や休憩所があって、いちばん人出で賑わう場所ですが、そこから500mほど下った場所にあるのが三乱(さみだれ)の流れです。三つに分かれた流れが再び合流することからこの名前がつけられたようです。
 流れも綺麗ですが、今の時期はツツジが咲いていて、個人的にはいちばん奥入瀬を感じる場所の一つだと思っています。車道から見下ろせる位置にあり、路肩に車を停めて見入っている人もたくさんいます。

 下の写真は道路脇からツツジと流れを入れて撮影した1枚です。

▲Linhof MasterTechnika 45 RodenStock Sironar-N 210mm 1:5.6 F32+1/3 5s Velvia100F

 この辺りは奥入瀬渓流のなかでも最もたくさんのツツジを見ることができる場所です。対岸にあるツツジの中でいちばん花付きの良い樹が入る場所を選んで撮りました。種類はヤマツツジだと思うのですが、ここのヤマツツジの花色はピンクに近い色をしています。
 川の水深は30cmほどではないかと思うのですが、岩の上をすべるように流れていて、いたるところにある岩の凹凸によって変化のある流れが生まれています。

 この写真は焦点距離210mmのレンズで撮っています。フィルムは4×5判ですので画角は35mm判カメラの60mmくらいの焦点距離のレンズに相当します。標準と中望遠の中間くらい焦点距離なのであまり広い範囲は写りませんが、ツツジと流れを強調しようという意図でこのレンズを使っています。
 被写界深度は深くないので、手前の岩から奥のツツジまで前面にピントを合わせるため、カメラのフロント部のアオリをかけています。

 流れの柔らかさを出しつつも表情(変化)が消えてしまわないようにということで、露光時間は5秒にしています。5秒というとわずかな風で葉っぱがブレてしまうには十分すぎる時間ですが、ほぼ無風状態だったのでほとんどブレがわからないくらいに写ってくれました。
 また、早朝の感じが損なわれないように、露出は若干切り詰め気味にしています。

 三乱の流れから少し上流に行くと石ヶ戸の瀬と呼ばれる場所があります。三乱の流れに比べて傾斜があり、川幅も狭いので流れに激しさがあります。川中に大きな岩がゴロゴロしていてその間を縫うように流れているので、立つ場所が少し違うだけで見える景色はずいぶんと異なります。奥入瀬渓流でいちばん撮影ポイントが多い一帯かも知れません。

 この一帯はツツジよりもタニウツギが多く見られます。タニウツギはツツジに比べるとずいぶん小さな花で地味な感じですが、花数が多いので新緑に色どりを添えてくれています。

 石ヶ戸の瀬の上流に近い場所で撮影した一枚が下の写真です。

▲Linhof MasterTechnika 45 Schneider APO-Symmar 150mm 1:5.6 F22+1/2 2s Velvia100F

 左上にある大きな岩の後方から流れて来ているのが良くわかるポジションから撮りました。画の中央奥から左に、そして右に流れていくように変化をつけてみました。流れの面積が大きくなりすぎないように、適度に岩や草を配置しました。
 森の上の方は木々の密度が低く、かなり明るい状態になっていて、そこが画に入ってくると全体的に軽い感じになってしまうのでその部分はフレームアウトしています。
 また、川中の岩の上にタニウツギが咲いていて、大きな木ではありませんがしっかりと点景になってくれました。

 流れが作り出す波が真っ白に飛びきってしまわないギリギリのところ、そして、背後の森が明るくなりすぎないところで露出を決めています。
 この写真も1枚目と同じようにフロント部でアオリをかけています。

優美さと豪快さが融合した滝

 奥入瀬渓流で滝が多く見られるのは上流域です。上流域になると本流の流れは中流域に比べて単調な感じになりますが、川の両側が切り立った崖になっていて、そこに幾筋もの滝を見ることができます。、落差の大きな滝は見応えが十分にあります。いくつかの滝を除いては近くまで行くことができないので、この季節は木々の葉っぱの合間から見るような状態です。

 そんな滝の中で滝つぼの前まで行くことのできるのがこの雲井の滝です。

▲Linhof MasterTechnika 45 Schneider APO-Symmar 180mm 1:5.6 F45 4s Velvia100F

 落差は25mほどあるらしいですが、三段になって流れ落ちていて、水量も多いので迫力があります。風向きにもよりますが、滝つぼの前まで行かなくても近づいただけで飛沫の洗礼を受けます。
 近づきすぎると滝の上部が見えなくなってしまうので、全景を撮るのであれば飛沫のかからない辺りまで引いて撮影することになります。
 また、この滝は上の2段は右岸側に、下の段はわずかに左岸を向いて落ちているので、直瀑に比べるといろいろなバリエーションで撮ることができます。

 この写真は滝つぼまで20~30mの位置から撮っていますが、焦点距離180mmのレンズを使っているのでカメラを上に向けています。そのため、そのままでは滝の上部が小さくなり迫力がなくなってしまうのでフロント部のライズアオリをかけています。

 雲井の滝は車道からすぐのところにあるのでアクセスも良くて訪れる人も多いですが、ここから上流に行くと人の数はぐっと減ります。滝の見えるところでは車や観光バスが停まっていたりしますが、上流にある銚子大滝までの間、遊歩道を歩いている人はまばらになります。

 その銚子大滝は本流にかかる唯一の滝で、落差約7m、幅はおよそ20mもある豪快な滝です。6月ごろはいちばん水量の多い時期で、滝からかなり離れても飛沫を浴びます。

▲Linhof MasterTechnika 45 FUJINON W125mm 1:5.6 F22 6s Velvia100F

 この写真を撮ったのは雨が降り出しそうに曇った日の早朝で、辺りはかなり薄暗い状況です。滝の周囲を暗く落とし、秘境っぽい感じを出そうと思って撮りました(実際にはすぐ近くに駐車場があり、全く秘境らしくないのですが)。
 画手前(下側)の倒木の上に生えている植物はシルエット気味に写し込みたかったのですが、8秒という露光時間のため、ブレが目立ってしまいました。また、あちこちで木の葉もブレています。

 早朝は訪れる人もほとんどなく、ゆっくり撮影することができます。日中、大型観光バスが着くとどっと人が降りてきて、つかの間、滝の周辺はとても賑わいますが、バスが行ってしまうと滝の音だけが聞こえる空間に戻ります。

岩上に根を下ろした植物たち

 奥入瀬渓流は流れと岩や植物によってつくられる造形美が魅力ですが、そんな景色をつくり出しているのに欠かせないのが岩上の植物です。
 奥入瀬渓流は火山活動によって形成された火砕流台地だったらしいのですが、数万年前に十和田湖の子ノ口が決壊し、大洪水が発生して侵食されたという生い立ちがあるようです。そのため、渓流の中には大小たくさんの岩が転がっていて、その上に植物が根を下ろした光景はとても風情があります。中には大木にまで育っているものもありますが、シダなどの野草類が自生している姿にはつい立ち止まり見入ってしまいます。

 下の写真は流れがとても穏やかなところで見つけたものです。

▲Linhof MasterTechnika 45 RodenStock Sironar-N 210mm 1:5.6 F16 1s Velvia100F

 生えているのは主にフキだと思いますが、下の方にはカエデのような形をした葉っぱも見られます。周囲は深い緑に囲まれているため、それが水面に映り込んで全体が黄緑色に染まっています。
 上流から流れてきたと思われるのですが、川底にひっかかって先の方だけが水面に出ている木の枝があり、これがとても良いアクセントになってくれました。背景の木々の映り込みだけでは単調になってしまいがちですが、この枝のおかげで川面に波がつくられ、動きが感じられます。
 露光時間が長すぎて水面が白くなってしまわないように、また、適度に流れが感じられるようにということで1秒の露光をしています。

 フキの葉っぱが反射で白くなっているところがあります。これを取り除こうと思いPLフィルターを弱くかけてみましたが、全体がベッタリとした感じになってしまうのと、水面の反射も弱くなってしまうので、結局、使うのをやめました。

 もう一枚、前の写真とは反対に流れの激しいところで撮ったものです。

▲Linhof MasterTechnika 45 RodenStock Sironar-N 210mm 1:5.6 F11+1/3 1/4 Velvia100F

 ウマノミツバではないかと思うのですが違うかも知れません。奥入瀬の岩上植物ではいちばん多いのではないかと思えるほどよく見かけます。三つ葉のような形をした葉っぱがとても涼しげです。
 白波を立てている流れに対して、微動だにしない野草の凛とした感じを出したくて撮った一枚ですが、背景はぼかし過ぎず、この場の環境が良くわかる程度にぼかしました。大雨などで水量が増えれば流されてしまいそうなところに根を下ろした偶然。しかし、そんな杞憂はまったく関係ない、今を力の限り生きている姿に感動します。

悠久の時を経た手つかずの森

 奥入瀬の渓流沿いを歩いていると、両側に広がる森の植生が場所によって異なっているのがわかります。下流域は比較的明るい感じのする森ですが、上流域に行くにしたがって原始の森といった雰囲気が漂ってきます。林床はシダで覆われ、岩や倒木にはびっしりと苔が生えていて、恐竜が出てきそうな様相です。
 木が倒れたりしても、それが道路などにかかってさえいなければ一切手を加えられることはなく、自然の営みに任された森といった感じです。

 銚子大滝から少し下った森の中に、ゾウが歩いている姿にそっくりな大きな岩があります。

▲Linhof MasterTechnika 45 FUJINON SWD75mm 1:5.6 F11+1/2 1s Velvia100F

 岩の上に木が倒れていて、それがまるでゾウの鼻のように見えます。ゾウの正面(写真では左方向)の方に行くとゾウには見えないのですが、この写真の位置から見ると、鼻を持ち上げたゾウがゆっくりと向こうに歩いて行っているように見えます。この倒木がいつからこのような状態になったのかは知りませんが、自然というのは時に面白いものを見せてくれます。
 奥深い森の感じを出すために、手前にできるだけたくさんのシダを入れてみました。そして、露出はアンダー気味にしています。

 春の山菜としても有名なゼンマイや、少し森に入れば普通に見ることができるオシダなど、シダの仲間の風貌は独特で、それが生えているだけで太古の森といった感じがします。シダの仲間は種子を持たず胞子で増えるというのを小学校の理科の授業で教えてもらったときに、ちょっと不気味な印象を持った記憶がありますが、それを今でも引きずっていてそんな風に感じるのかも知れません。ですが、今はとても魅力のある被写体だと感じています。

▲Linhof MasterTechnika 45 Schneider APO-Symmar 150mm 1:5.6 F5.6 1/125 Velvia100F

 上の写真は苔むした樹の幹とシダの取り合わせが面白いと感じて撮った1枚です。
 背後は川ですが大半を幹で隠し、ちょっとだけ見えるようにしました。絞りは開放にして背景はできるだけぼかしています。
 雲が切れて森の中に光が差し込んでおり、画全体が緑被りしているように見えます。深い森の新緑の季節ならではの光の演出といった感じがします。

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 コロナがだいぶ落ち着いてきたからなのか、今年の奥入瀬の人出は少し増えたように感じました。とはいえ、人気のポイント以外のところは人の数も少なく、静かなたたずまいです。
 今回、主に中流域と上流域を撮影しましたが、片道およそ9kmあります。散策するだけなら1日でも十分ですが、撮影しながらだととても1日では回りきることができません。天気は毎日変わるので、昨日撮影した場所に今日行くと全く別の景色に見えたりして、なかなか前に進めません。同じ場所であっても毎回違った発見があるということなので、それはそれで良しとしておきますが、一方でまだ撮影できていない場所もたくさんあります。

 なお、余談ですが、今回の撮影行でクマを2度見かけました(奥入瀬ではありません)。いずれもかなり離れていたので恐怖感はありませんでしたが、今年は各地でクマの出没が多いようです。

(2023年6月8日)

#奥入瀬渓流 #新緑 #渓流渓谷 #リンホフマスターテヒニカ #Linhof_MasterTechnika

紅葉の奥入瀬渓流を大判カメラで撮る

 奥入瀬渓流は十和田湖の子ノ口から焼山まで、およそ14kmに渡って美しい流れが続いています。両岸には豊かな樹木やたくさんの滝があり、変化に富んだ景観は見飽きることがありません。流れとほぼ同じ高さに遊歩道が整備されているので、高いところから見下ろす渓谷とは違う景色を見ることができます。
 例年の紅葉は10月中旬から11月上旬と言われていますが、今年(2021年)は10月24日の週がいちばんの見ごろだった感じです。紅葉の奥入瀬渓流を大判カメラで撮ってきました。

三乱(さみだれ)の流れ

 個人的には奥入瀬渓流の中でいちばん好きな場所です。
 流れは比較的穏やかで、その中に点在している大小の岩と、その上の着生植物が作り出す景観は得も言われぬ美しさがあります。すぐ脇を車道が走っているので、車の中からもその美しい景観を見ることができます。

 下の写真は早朝に撮った一枚です。

▲三乱の流れ Linhof MasterTechnika 2000 FUJINON W125mm 1:5.6 F45 8s PROVIA100F

 流れのすぐ手前まで降りて行って撮影しています。渓流に太陽の光が差し込む前で、しかも前の夜に雨が降ったようで、しっとりとした色合いになってくれました。ほとんど無風状態でしたので、少々長めの露光をしても被写体ブレは気にならないだろうと思い、8秒の露光をしています。
 手前にある岩から奥のl紅葉までピントを合わせたかったので、フロントティルトのアオリをかけています。
 また、流れの奥行き感と広さを出すために、カメラの位置を水面から60cmほどの高さでの撮影です。

 木々はとても綺麗に色づいていますが、紅葉をあまりたくさん入れると画の締まりがなくなってしまうので、切り詰めています。その分、流れを広く入れて、点在する岩をアクセントにしました。
 早朝のしっとり感が損なわれないように露出は気持ちアンダー気味にしています。

 もう一枚、少し上流側で見つけた、岩の上に根を下ろしている黄葉です。

▲三乱の流れ Linhof MasterTechnika 2000 FUJINON C300mm 1:8.5 F32 1s PROVIA100F

 背景を広く入れ過ぎると岩の上の黄葉が目立たなくなってしまうので、流れとの対比で黄葉が引き立つようにしました。もう少し下流側から流れを多く入れようとも思いましたが、そうすると背景も広く入ってしまいゴチャゴチャしてしまうので、流れに対して真横から撮っています。
 また、岩の上から伸びている2本の幹がとてもいいアクセントになっていたので、これがはっきり見えるアングルを選んでいます。
 こちらもほぼ無風状態だったのですが、ところどころ、わずかに葉っぱがブレています。

 まだ完全に黄葉しきっておらず緑が残っていますが、そのグラデーションがとても綺麗です。露出アンダーになるとこのグラデーションが濁ってしまうので、葉っぱの部分を何ヵ所か測光して露出を決めています。

石ヶ戸(いしけど)の瀬

 石ヶ戸休憩所がある辺りを石ヶ戸の瀬と呼ぶようです。石ヶ戸休憩所は広い駐車スペースもあり、観光バスも多く来るのでたくさんの観光客でにぎわっています。
 すぐ近くに、カツラの大木で支えられた巨大な一枚岩があり、それを石ヶ戸と呼ぶようですが、その岩の下はまるで小屋のような空間になっています。
 石ヶ戸の瀬の辺りは流れが大きなカーブを描いており、そのためか変化に富んだ景観を見ることができます。

 下の写真は石ヶ戸の瀬の中でも流れが激しい場所です。橋のようになった倒木が何とも言えぬ景色を作り出しています。

▲石ヶ戸の瀬 Linhof MasterTechnika 2000 APO-SYMMAR 150mm 1:5.6 F45 4s PROVIA100F

 奥入瀬はどちらかというと紅葉よりも黄葉のイメージが強いのですが、この辺りは紅葉が点在しており、そのコントラストが綺麗です。
 奥行き感を出すために、手前の岩を多めに入れています。手前から奥までピントが合うようにフロントティルトのアオリをかけています。ほぼ無風状態だったので、岩の上の草もほとんどブレずにすみました。
 一方、上部中央にある黄緑色の葉っぱがアウトフォーカスになってしまい、ちょっと気になります。撮影位置をもう少し前にできればよかったのですが足場が悪く、このあたりが自然相手の難しいところです。

 上の写真より少し下流の、流れが極めて穏やかになっている場所で撮影したのが下の写真です。

▲石ヶ戸の瀬 Linhof MasterTechnika 2000 FUJINON CM105mm 1:5.6 F22 1/2 PROVIA100F

 傾斜がほとんどなく、波も全くというほど立っていません。ここも、苔むした倒木がとても良いアクセントになっていると思います。
 前の写真のときと比べて陽が高くなっているので林全体が明るくなっていますが、若干暗めの方がこの場の雰囲気には合うと思い、露出は少し切り詰めています。

 波を立てて激しく流れる景色も素晴らしいですが、このように音もなく静かに流れる、まるで時が止まったような景色を見られるのも奥入瀬渓流の魅力だと思います。

 もう一枚、近くでとても綺麗に色づいた木を見つけたので撮ってみました。

▲石ヶ戸の瀬 Linhof MasterTechnika 2000  FUJINON CM105mm 1:5.6 F22 1/2 PROVIA100F

 上の方の葉っぱが赤くなってきており、そのグラデーションがとても綺麗です。
 ここの流れもとても穏やかで、波音もほとんど聞こえません。長時間露光しても波の軌跡はほとんど写らないので、川面を流れる落ち葉が線を描く程度のシャッター速度で撮影しています。欲を言うと、もう少し流れる落ち葉がたくさん欲しかったところです。

 カメラをもう少し上に振ると、切り立った崖の上の方に赤く色づいた木々が点々とあったのですが、このオレンジ色の葉っぱを引き立たせるため、敢えて上の方の紅葉は入れませんでした。もう少し引いた場所から短めのレンズで広い範囲を撮ると、これとは違った美しい渓谷美の写真になるのではないかと思います。

阿修羅(あしゅら)の流れ

 奥入瀬渓流の中でいちばん人気の場所ではないかと思います。ガイドブックや雑誌などでも紹介される回数が最も多いのが、ここ、阿修羅の流れだそうです。
 近くにわずかながら駐車スペースもあり、ここを目当てに来る方も多いようです。写真撮影する人、絵を描く人など、人が耐えることがありません。
 それでも早朝は人の数がとても少なく、ゆっくりと撮影することができます。

 下の写真は流れのすぐ近くの遊歩道から、できるだけ低いポジションで撮ったものです。

▲阿修羅の流れ Linhof MasterTechnika 2000 SUPER-ANGULON 90mm 1:8 F45 8s PROVIA100F

 岩の間を縫うように流れる姿はとても豪快です。焦点距離90mmの短焦点レンズを使っていますが、流れを強調するために林の上部はあまり入れないようにしています。
 早朝で岩に光が回り込む前の時間帯なので、岩の重みのようなものが感じられます。8秒の露光をしていますが、風がなく葉っぱもピタッと止まってくれたのは運が良かったです。
 蛇行した激しい流れと川中の岩、着生植物のバランスは本当に美しく、奥入瀬渓流の中でいちばん人気というのも頷けます。

 右上の林に光が差し込んでいるのがわかると思いますが、林を切り詰めた分、流れが奥の方に続いている感じを出そうと思い、この辺りが少し明るくなるのを待っての撮影です。

 上の写真の少し上流から縦位置で撮ったのが下の写真です。

▲阿修羅の流れ Linhof MasterTechnika 2000 FUJINON W125mm 1:5.6 F22 4s ND8 PROVIA100F

 一枚目の写真の場所と比べると流れは穏やかで激しさはありません。しかし、左奥から大きくカーブしながら流れ落ち、テーブル状になったところに波が描く模様は、激しさと穏やかさが同居している感じが表わされているように思います。

 林全体に光が回り込んで黄葉が鮮やかになってきたので、黄葉を多めに入れてみました。紅葉や黄葉は光が入り込むと鮮やかに発色しますが、光が強すぎると白っぽくなってしまいます。太陽に雲がかかって光が柔らかくなったところを狙って撮影しました。

 この写真のすぐ右側と正面の奥には道路が走っています。何気なくシャッターを切ったら車が写り込んでいた、なんてこともあるので撮影の際は注意が必要です。

白銀(しろがね)の流れ

 奥入瀬渓流の数ある滝の中でも人気の高い雲井の滝、その少し上流にあるのが白銀の流れです。轟々と音を立ててダイナミックに流れるところは高い位置から見下ろすしかありませんが、その下流はとても穏やかな流れになっています。ここは、阿修羅の流れと銚子大滝の中間あたりで、それが理由かどうかわかりませんが、訪れる人も比較的少ない感じがします。

 下の写真は白銀の流れのいちばん下流にあたるところです。

▲白銀の流れ Linhof MasterTechnika 2000  SUPER-ANGULON 90mm 1:8 F22 4s ND8 PROVIA100F

 左端にちょっと見えている階段を上ると白銀の流れを見下ろせる場所に出ます。
 この写真の場所は川幅が急に広くなるので、水深も浅く、穏やかな流れです。この時期は落葉が進んで葉っぱの数も少ないので、開けた感じのする場所です。

 流れの中に横一列に整然と並んだ岩が何とも言えません。穏やかな流れでありながら適度な波があるので、長時間露光するとまるで雲が流れているような描写になります。
 対岸にある巨木がとても印象的で、このおかげで画全体が締まっている感じです。

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 美しさもその規模も他に類を見ない奥入瀬渓流です。今回は石ヶ戸から子ノ口の間を撮影しましたが、石ヶ戸から焼山までの間の紅葉も素晴らしいです。範囲が広いので短い期間ですべてを撮るには無理があります。限られた時間の中である程度狙いを絞り込んでおかないと、被写体に振り回されてしまいそうです。
 新緑の美しさも格別で、来年、新緑の頃に訪れることができたらいいなと思ってます。

(2021年11月16日)

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