第21話 スライドフォトフレームを作ってみました

 フィルムで撮影していると、露出の過不足やカメラブレなどの失敗作がときどき生まれます。また、そういった失敗ではないにしても、写真や作品というにはあまりに駄作というものも量産されてしまいます。デジタルカメラの場合はすぐに確認して、失敗作や駄作は亡き者にしてしまうことができますが、フィルムの場合はしっかりと記録されてしまい、失敗作だろうが何だろうが分け隔てなく現像され、物理的に残ってしまいます。

失敗作でも廃棄できない撮影済みのポジ

 失敗作の多くは廃棄してしまいますが、露出も適正でブレもない、一応写真としては成り立っているものの、どう贔屓目に見ても駄作というコマについてはなかなか捨てることができません。出来の悪い子供ほどかわいいというのに似ているかもしれません。残しておいても一生、日の目を見ることもないだろうと思いながらも捨てられずにどんどん増えていってしまいます。

 日頃からポジはライトボックスで見るのが最も美しいと思っているのですが、ある日、現像から上がってきたポジをライトボックスでチェックしているときに、たまっている駄作ポジに光を当ててやろうと思いつきました。早い話、フォトフレーム(額縁)に駄作ポジを入れ、背面からライトで照らすだけのことですが、これによって駄作も少しは見栄えがするだろうと思ったわけです。
 私の場合、ブローニーの67判での撮影枚数が最も多いので、当然、67判の駄作の枚数もいちばんです。ということで、とりあえず67判のスライドフォトフレームを作ることにしました。

LEDライトを使ってバック照明

 2Lサイズのフォトフレーム(額縁)に合わせてマット紙をカットし、中央に67判ポジより一回り小さな窓を切り抜きます。マット紙の裏側にポジを固定し、乳白色のアクリル板を重ねて固定します。さらに、LED照明を取り付けるための枠を自作し、これをアクリル板に重ねてフォトフレームにはめ込みます。
 LED照明はアマゾンで2,000円ほどで購入。67判だけでなく4×5判にも使えるようにと、LED面がはがきサイズほどのものを選びました。これを先ほどの枠に取付ければ完成です。

スライドフォトフレーム用LED照明

 LED照明を点灯するとこんな感じです。

スライドフォトフレーム(67判)

 当然のことながら、バックライト方式ですので暗いところでも観賞することができます。プリントしたものを見るのと違って透明感や立体感があり、駄作でもずいぶん見栄えが良くなります。馬子にも衣裳という言葉がぴったりです。
 ときどきポジを交換すれば飽きることなく楽しめるかもしれません。
 また、4×5判用のマット紙を作れば4×5のポジも同様に見ることができるので、そのうち作ってみたいと思います。

 量産された駄作ポジ、何とか使い道はありましたが、日の目を見ることができるのはこれまでにたまった駄作のごく一部に過ぎないと思われます。

 余談ですが、駄作はブローニーだけでなく4×5判でも生まれます。しかし、撮影枚数に対する駄作の発生率がブローニーに比べてはるかに低いです。最近はほとんど使わなくなりましたが、以前、35mm判を使っていた時は、ブローニーよりも35mm判の駄作の発生率はずっと高かったです。やはり、フィルムが大きくなるにつれて、撮るときの気合の入れ方が違うのだろうと思います。

(2020.10.17)

#フォトフレーム #リバーサルフィルム

第19話 東京ゲートブリッジでピンホールカメラ試し撮り

 耐え難い暑さもやっとおさまったので、自粛中に作ったピンホールレンズの写りを確認するため、東京ゲートブリッジの定番撮影ポイントである若洲海浜公園に行ってきました。しばらく雨降りが続いていましたが久しぶりに青空が広がり、若洲海浜公園の駐車場は満車状態です。多くの方は釣りをしに来ているようです。ほぼ快晴で日差しは強いですが風がとても気持ち良いです。

WISTA 45SP でゲートブリッジ撮影

 2か月ほど前に作ったピンホールレンズでどの程度の写真が撮れるのか、4×5フィルムとブローニーフィルム(67判)で実際に撮影をしてきました。持ち出したカメラはWISTA 45SPとHorsemanのロールフィルムホルダーです。あとはピンホールレンズや単体露出計、メジャーなどの小物ばかりですので、レンズがないと本当に機材が軽いと実感しました。これで超広角から望遠まで無段階に対応できるのですから、ピンホールカメラ恐るべしです。

 まずは橋の南側からゲートブリッジ全体の形が綺麗に見えるポイントに行き、4×5フィルムで撮ったのが下の写真です。

東京ゲートブリッジ  WISTA 45SP Pin-hole Lens F330 7s (4×5判)

ピンホール径を逆算してみると

 撮影データですが、焦点距離は100mm(35mm判カメラに換算すると28mmくらいのレンズの画角に相当します)、F330でシャッター速度は7秒です。
 単体露出計で手前の草の部分と海面を計測し、ピンホール径が0.3mmということで計算した露出ですが、若干、露出オーバー気味です。ということはピンホール径が0.3mmよりもわずかに大きいようです。現像が仕上がったポジの状態からピンホール径を逆算すると、0.33mmくらいあることになります。ルーペを覗きながらマチ針で開けた穴ですので決して高い精度は望めず、まぁ、こんなものかなと思います。次回の撮影からはピンホール径が0.33mmということで露出を決めれば良いので、仕上がりはもう少し良くなることを期待したいです。

 周辺部の落ち込み(光量不足)がもう少しあるかと予想していたのですが、思ったほどではありませんでした。この写真のほかにもう一枚、焦点距離85mmで撮影したポジは四隅が若干暗くなっており、光量不足の影響が出始めているのがわかりました。計算上、最短撮影距離の68mmでは周辺部で2EVほど暗くなると思っていましたが、実際には1~1.5EVくらいでおさまりそうです。

画質は及第点

 画質は予想以上に解像しており、及第点といったところでしょう。さすがに草の一本いっぽんまでは識別できませんが、穂が伸びているところや左端にある時計の目盛りなどは十分わかります。少しボヤっとしていたほうが針穴写真らしいと思いますが、どこで折り合いをつけるかが悩ましいところです。機会があればもう少し径の大きなピンホールを作って試してみたいところです。
 この写真では太陽が左側にあるのですが、フレアが起きています。これを避けたい場合はフードやハレ切りを使えば防げますが、このように晴れた日の写真ではフレアがあることで降り注ぐ太陽の光を感じられるかも知れません。

ブローニーフィルムで撮影

 下の写真はブローニーフィルム(ロールフィルムホルダーを使用)で釣りをしているところを撮ってみました。

東京ゲートブリッジ  WISTA 45SP Pin-hole Lens F276 4s (67判)

 焦点距離が80mm(35mm判カメラ換算で40mmくらいのレンズの画角に相当)、F267、シャッター速度は4秒です。1枚目の写真同様、露出は若干オーバー気味です。
 手前の岩を大きく入れてみました。このような構図の場合、パンフォーカスにしようとするとレンズを使った通常の撮影ではかなり大きなアオリが必要になりますが、当然のことながらピンホールカメラでは全く気にせずにパンフォーカスになるのがすごいところです。
 また、シャッター速度が4秒くらいだと人の動きも極端に大きくブレることなく、ぎりぎりそれとわかるくらいには写し止めることができます。

遠景を望遠で撮影

 さて、長い焦点距離(望遠)ではどのように写るかということで撮影したのが下の写真です。

東京ゲートブリッジ  WISTA 45SP Pin-hole Lens F900 50s (67判)

 撮影データは、焦点距離270mm(35mm判カメラ換算で135mmレンズの画角に相当)、F900、シャッター速度は50秒です。露出オーバー気味も手伝ってか、やはりボヤっとした感じが強まっている印象ですが、ここまで写ってくれれば良しということにしましょう。

 今回は試し撮りということで4×5フィルム2枚、ブローニー(220)フィルム1本(20カット)を撮影してきましたが、構図確認用のピンホールレンズの穴径が大きすぎて、フォーカシングスクリーンに映る像がぼやけすぎてしまうということが判明しました。穴径が大きければ明るい像が得られますがボケも大きくなってしまい、構図を決めるのに手間がかかってしまいます。ここは改善の余地のあるところです。
 また、ピンホールレンズが計算通りに作ることができているか確認するため、今回は露出がシビアなリバーサルフィルムで撮影しましたが、針穴写真はモノクロやネガフィルムのほうが雰囲気があると思いますので、若干の改善をした後、次回は本格的な撮影に臨みたいと思います。

(2020.10.5)

#東京ゲートブリッジ #ピンホール写真 #ウイスタ45 #WISTA45 #リバーサルフィルム